淡路島ちどり隊とは

「チドリが住みやすい環境を整えることで、もともとの淡路島の豊かな砂浜を取り戻す」ことを目的に、2022年1月に結成された市民グループ。

シロチドリは、砂浜をちょこちょこと歩きまわり、冬になると何十羽もの群れで砂浜の窪みにうずくまって過ごすその姿は非常に愛らしく、古くから“浜千鳥”の名で親しまれてきた。

ここ50年ほどでその数は3分の1にまで激減し、兵庫県において、絶滅の危険性が一番高いレッドデータブックAランクに指定されている。

慶野松原のシロチドリ(1970年ごろ 撮影:山崎博道)

慶野松原のシロチドリ(1970年ごろ 撮影:山崎博道)

激減の背景にあるのは、シロチドリの繁殖場所である砂浜が減ってきていること。シロチドリは砂浜に直接、卵を産んで営巣する。孵ったヒナは波打ち際と砂浜近くの海浜植物帯を行ったり来たりしながら約1か月かけて巣立てるまでに成長する。砂浜を全面的に使って子育てをするが、近年、減った砂浜にレジャー利用などで人が押し寄せ、ごみの放棄によって天敵であるカラスを寄せ付けてしまい、カラスに卵を食べられてしまったり、砂浜に産んだ巣を人が踏みつけてしまうなど、シロチドリの繁殖環境は非常に厳しい状況となっている。

シロチドリが安心して営巣できる環境を整えることは、シロチドリの個体数を回復させるだけでなく、かつての豊かな淡路島の砂浜環境を取り戻すことにつながる。そこで淡路島ちどり隊は、シロチドリの個体数と繁殖状況を調査するとともに、シロチドリの営巣環境を守るためのビーチクリーンや保護エリアの設置、環境学習を通じた啓発活動などを行っている。